
失敗しないソファの選び方|家具セレクトショップがポイントを解説
2025.03.19一度購入すると長く使うソファは、買い替えるときに「あれ?ソファ選びのポイントって何だっけ?」となりがちです。ソファ選びで後悔しないために、購入前に選び方を復習しておきましょう。
とは言え、ソファ選びは「サイズ、形状、張り地、デザイン、座り心地、価格」など検討すべきポイントが非常に多いです。「なかなか決められない」という方も多いのではないでしょうか?
本稿では、家具のプロが「ソファの選び方」の基礎知識を徹底解説します。最後までご覧いただくと、きっと理想の一台を見つけ出しやすくなるはずです。失敗も、防ぎやすくなりますよ。
目次
step1:目的を明確にする
最初に、ソファの購入目的を明確にすることがとても大切です。目的を明確にするときは、以下のポイントに着目してみましょう。
- どんなシーンで使うのか(くつろぐ?作業?来客?)
- 誰が使うのか(自分ひとり?家族で?ペット含む?)
- どのくらいの頻度で使うか(毎日長時間?週末のみ?)
目的が明確になると、サイズ・形状・張り地・座り心地などの選択肢が自然と絞られ、迷いにくくなります。
たとえば、こんな感じです。
- 家族で囲んで座る ⇒ サイズ:座面が広め、形状:L字型、座り心地:適度な硬さ
- PCで作業をする ⇒ 形状:肘かけ付きのハイバック、座り心地:硬め
- 映画見てくつろぐ ⇒ サイズ:奥行が深め、形状:カウチ型、座り心地:柔らかめ
- 子どもやペットも使う ⇒ サイズ:座面が低い、張り地:丈夫・汚れに強い
家族みんなで使うなら、全員が座れて、話が弾みそうなL字型のソファがいいですよね。
映画鑑賞が趣味の方なら、しっかり奥行のある、包み込まれるようなソファがいいでしょう。寝転がって、くつろぎたい人もいるかもしれませんね。
一方、目的を明確にせずに選ぶと、こんな失敗につながりかねません。
- 見た目で選んだら、使いづらくて座る機会が減った
- 値段で選んだら、座面がすぐにへたって快適に座れなくなった
ソファを選ぶときは、まず目的を明確にして、目的に合うソファを探しましょう。
step2:設置場所とサイズを決める
ソファを探し始める前に、設置場所と、設置可能なサイズも確認しておきましょう。ソファは大きな家具ですので、その設置場所とサイズしだいで、空間の居心地や使い勝手が変わります。
サイズを間違えると、こんなことが起こります。
- 大きすぎる……部屋が狭く見える、通路や余白を確保できない
- 小さすぎる……家族みんなで座れない、リラックスできない
ソファの周りに動線を確保する
設置可能なソファのサイズを確認するときは、足元や、左右・うしろの余白スペースも考慮しましょう。
ソファの前にテーブルを置く場合は、ソファとテーブルのあいだに40cm程度の空間が必要です。
ソファの左右やうしろに人が通るための通路を設ける場合は、少なくとも50cm以上、できれば60cm程度の幅が必要です。
搬入経路の寸法も確認する
ソファは大きな家具ですので、部屋まで問題なく運び込めるか事前に確認しましょう。とくに集合住宅ではエレベーターのサイズや曲がり角の幅などが制約になるため、注意が必要です。
ドアや通路の幅と高さを測り、購入予定のソファの梱包サイズと比較しましょう。なお、ドアノブ等の出っ張りも、しっかり計算に入れてください。
以上のように、まずソファを置く場所の広さや搬入経路を確認することが大切です。そのあと、どのような形状のソファが置けそうか具体的にイメージすると、適切なソファ選びができます。
step3:タイプ(形状)を選ぶ
ソファにはさまざまなタイプがあり、それぞれに特徴と適した利用シーンがあります。ですから、自分のライフスタイルに合ったタイプを選ぶことがとても大切です。
主なソファのタイプと特徴、適した利用シーンをご紹介しましょう。
ハイバックソファ
ハイバックソファは、背もたれが高く、首や頭までしっかり支えてくれるソファです。長時間座っても疲れにくいです。
ゆったり座ってリラックスしたい方には、ハイバックソファがおすすめです。たとえば、ソファで快適に読書や映画鑑賞をしたい人に向いています。
一方、圧迫感が出やすい点には注意が必要です。部屋を広く見せたい人にも不向きでしょう。
ローソファ(フロアソファ)
座面が低い(床に近い)ソファをローソファ、またはフロアソファと言います。ローソファは圧迫感がなく、部屋を広く見せられます。
ローソファは、和風や和モダンのお部屋によく合います。また、座面から落下してケガをするリスクが少ないので、お子さまやペットが使うソファにも向いています。
一方、立ち上がるときに膝に負担がかかるため、ご高齢者や足腰の弱い方には向いていません。
コンパクトソファ(ラブソファ)
コンパクトソファは小さめのサイズ(幅100~120cm程度)のソファで、別名「ラブソファ」と呼ばれています。カップルや夫婦が座るのに、ちょうどいいサイズです。
コンパクトソファは、ひとり暮らし用のワンルームのソファや、書斎や寝室用のサブソファに向いています。軽量で移動しやすいところも、コンパクトソファの魅力です。
一方、広い部屋だと物足りないでしょう。大人数で座りたい方にも不向きです。
カウチソファ(シェーズロング)
カウチソファは、寝転がるための、特殊なデザインのソファです。片側だけに肘かけや背もたれが付いています。シェーズロングとも呼ばれます。
寝転がるのに向いているため、昼寝用のソファが欲しい人や、テレビや映画を見ながらリラックスしたい人におすすめです。
ただし、部屋のスペースを多く取るため、設置にはある程度のスペースが必要です。また、左右非対称のため、設置場所が制限される点も注意が必要です。
コーナーソファ(L字ソファ)
コーナーソファは、その名のとおりお部屋のコーナーに置くためのソファです。L字型に組まれていて、家族や来客と一緒に、大人数で座れるところが魅力です。
コーナーソファなら、お部屋の角を有効活用できます。広いお部屋なら、空間の間仕切りにも利用可能です。L字の一辺がカウチソファになっているものもあり、寝転がって使うこともできます。
一方、サイズが大きいところが短所にもなり得ます。コンパクトな部屋に配置すると、圧迫感が出ます。移動や模様替えがしにくい点も注意が必要です。
オットマン(フットスツール)
オットマンは、ソファの前に置いて足置きとして使うための家具です。単体のスツール(背もたれのないイス)としても活用できます。
ソファにくっつけて簡易カウチソファにしたり、来客時にイスとして使ったり、柔軟にレイアウトを変えたい方におすすめです。
軽いものは動きやすく、位置がズレやすいため、試してから購入すると安心です。
step4:張り地(素材)を決める
ソファの張り地は「見た目、肌触り、耐久性、お手入れのしやすさ」、そしてそれらを総合した「使い心地」に大きく影響するためとても重要な要素です。
主な張り地と特徴をご紹介しましょう。
天然皮革(本革)
天然皮革は、動物の皮を使用した素材です。高級感があり、使うほどに風合いが増します。肌触りは、しっとりしていて滑らか。ただし、冬は少し冷たく感じるかもしれません。
天然皮革は非常に丈夫な素材で、適切にお手入れすれば10年以上使えます。乾燥するとひび割れが生じるため、定期的に保湿クリーム等を使ったメンテナンスが必要です。
水や汚れに比較的強いですが、放置するとシミになります。小さなお子さまやペットがいるご家庭では、キズや爪跡が付かないように注意が必要です。
人工皮革・合成皮革
人工皮革や合成皮革は、環境意識の高まりから、天然皮革の代替品として注目度が高まっている素材です。風合いは天然皮革に劣りますが、安価で、バリエーションが豊富です。
本革よりも均一な質感で、さらっとしていて柔らかいです。水や汚れに強く、比較的丈夫ですが、経年劣化で表面がヒビ割れたり剥がれたりします。紫外線にも弱く、劣化の原因になります。
お手入れしやすく、水拭きや中性洗剤で汚れを落とせます。本革のような定期的なメンテナンスも不要です。ただし、一度劣化すると修復が難しい素材です。
布(ファブリック)
布地は、使う繊維や織り方によってさまざまな表情を生み出せる素材です。全般的にナチュラルで温かみがあり、カラーや柄のバリエーションが豊富で、お部屋の雰囲気に合わせやすいでしょう。
素材によって肌触りが異なりますが、多くの布地は季節を問わず快適です。通気性がよいので、長時間座っていても蒸れにくいでしょう。
天然皮革ほど強くありませんが、5~10年程度の使用に耐えられます。水分汚れでシミになりやすいので、撥水加工をしておくと安心です。カバーが外せるタイプなら、洗濯可能です。
step5:デザインをチェックする
ソファは、お部屋の中で大きな存在感を放つ家具です。そのデザインは、単に見た目の問題だけでなく、お部屋の雰囲気にも大きく影響します。
デザイン選びのポイントは、以下のとおりです。
- 使用目的に合うデザインのものを選ぶ
- 自分が気に入ったデザインを選ぶ
- インテリア全体との調和を考慮する
まず、使用目的に合うデザインのソファを選ぶことが大切です。また、自分が気に入ったデザインを選ぶことも重要です。愛着や満足感がアップして、大切に使いたくなるでしょう。
内装や他の家具など、インテリア全体との調和を考慮することで、居心地のよい空間をつくれます。目指すインテリアスタイルに合わせて家具のデザインを選ぶと、調和させやすいでしょう。
人気のモダン系インテリアスタイルと、その特徴をご紹介します。
モダンスタイル
モダンスタイルは、シンプルで洗練されていて、都会的なスタイルです。家具は直線的でミニマルなフォルム、そして装飾の少なさが特徴的です。
このスタイルに合う素材は、高級感がありモダンな印象の革や、シックで上品な雰囲気のファブリックなどです。色はモノトーン(白・黒・グレー)がよく使われます。
近代的な素材の家具と合わせると、よりモダンスタイルらしくなります。たとえば、ガラスのセンターテーブルやスチールの照明などです。
ミッドセンチュリーモダンスタイル
ミッドセンチュリーモダンスタイルは、1940~60年代の米国でブームになったスタイルです。モダンスタイルの流れをくみながらも、戦後の米国の陽気な雰囲気が反映されています。
この時代は、戦中・戦後の技術革新により、家具の加工技術が発展しました。この技術による三次元曲面や幾何学的なフォルムが、このスタイルの特徴となっています。
このスタイルの家具には、木やレザーなどの天然素材が多用される一方で、スチール・プライウッド・ファイバーグラスといった近代的な素材も利用されています。
北欧モダン(スカンジナビア)スタイル
北欧モダンは日本でも人気のスタイルで、シンプル&ナチュラルが特徴となっています。モダンスタイルを踏襲しつつ、近代的な材料よりも天然素材を積極的に使うのがポイントです。
ソファも、天然木のフレームや脚、そして天然繊維の張り地を使ったものがこのスタイルに合いやすいでしょう。シンプルかつ機能的、クリーンなラインのものを選んでください。
カラーパレットには、白や明るいニュートラルカラー(無彩色・低彩色)がよく用いられます。これは、冬が長く日照時間が短い北欧ならではの工夫です。
和モダンスタイル
モダンスタイルを日本の伝統的な美意識でローカライズしたのが「和モダン」です。静かで端正な空間、柔和で繊細なデザイン、余白の美学など、私たちに深く根ざしたものがエッセンスになります。
ソファは、直線的でスッキリとしたフォルムのローソファがよく合います。天然木のしっかりとした節や木目がデザインに生かされているものが、和の雰囲気になじむでしょう。
張り地は、革でも布地でも合わせられます。色は藍色や濃い茶色、ねずみ色、漆黒などがよいでしょう。モダンよりのお部屋なら、ニュートラルカラーもよく合います。
step6:座り心地を試す
座り心地の好みは、人によって違います。ですから、座り心地はソファ選びの中でもっとも重要であり、同時にもっとも難しいポイントでもあります。
ソファの座り心地は、見た目やスペックだけでは分かりません。できれば、購入前にお店でしっかり体感して、自分にピッタリのものを選ぶことが大切です。
たとえば、自分の体格や好みに対して、ソファの堅さや奥行が以下のように影響します。
- 硬すぎる ⇒ 長時間座るとお尻や腰が痛くなる
- 柔らかすぎる ⇒ 体が沈みすぎて姿勢が悪くなる
- 奥行が浅すぎる ⇒ リラックスしづらい
- 奥行が深すぎる ⇒ 脚が浮き立ち上がりにくい
体格や好みによって、快適な座り心地は変わります。なるべく、家族みんなが快適に座れるものを選びたいところです。
家族の体格差が大きい場合は、ひとりずつ専用の1人がけソファを購入するのもひとつの方法です。
また、クッション材や衝撃吸収材の種類・構造がソファの座り心地を大きく左右します。代表的なクッション材や衝撃吸収材の特徴をご紹介しましょう。
クッション材の種類と特徴
主なクッション材を4つご紹介します。
ウレタンフォーム
ウレタンフォームは、発泡樹脂の一種です。価格が比較的手頃で、多くのソファに採用されています。低反発・高反発など種類が豊富ですが、低密度のものはへたりやすい傾向があります。
チップウレタン
チップウレタンは、ウレタンフォームを細かく砕いて圧縮成型したもので、比較的安価です。弾力性や耐久性が高いですが、単体ではやや硬いため、他の素材と組み合わせて使うことが多いです。
フェザー (羽根)
フェザーは、水鳥の羽根を使用したクッション材です。ふんわりとした柔らかさが特徴で、沈み込むような座り心地です。ウレタンと比べてへたりやすく、定期的にほぐす必要があります。
シリコンフィル
シリコンフィルは、ポリエステルを加工し、羽毛のような柔らかさを再現した合成繊維素材です。フェザーよりもへたりにくく、軽量。一方、若干弾力性に欠けます。高品質なものは高価です。
衝撃吸収材の種類と特徴
主な衝撃吸収材を4つご紹介します。
ポケットコイル
ポケットコイルは小さなコイルを袋に入れて並べた衝撃吸収材です。体を点で支えるため、体圧分散性に優れていて、高級ベッドなどにも使われています。他の衝撃吸収材と比べるとやや高価です。
コイルスプリング
コイルスプリングは、複数のコイルを連結した構造の衝撃吸収材です。反発力が強く、座り心地がしっかりしています。体を面で支えるため、比較的硬めの感触で、振動が伝わりやすいです。
ウェービングベルト
ウェービングベルトは、幅広のゴムやナイロンベルトを格子状に編み込んだ衝撃吸収材です。しなやかな弾力があり、軽量でメンテナンス性良好。他の衝撃吸収材と比べると耐久性がやや低めです。
S字バネ(波型スプリング)
S字バネは、S字状(波型)に曲げられた金属のスプリングを座面のフレームに固定した衝撃吸収材です。適度な弾力と耐久性があります。安価ですが、座る場所によって硬さにムラが出やすいです。
step7:価格とコスパを確認
ソファを選ぶ際、価格だけでなく、コストパフォーマンスを考慮することが大切です。単に安いものを選ぶと、座り心地や耐久性に問題が出る可能性があります。
つまり、長期間使うソファは「安い=お得」とは限りません。価格が安いソファは、以下のリスクがあることを考慮する必要があります。
- フレームが弱い ⇒ ギシギシ音がする、すぐに壊れる
- 座面のウレタンが低品質 ⇒ すぐにへたる
- 張り地が薄い・弱い ⇒ 破れやすい、毛玉ができやすい
品質のよいソファを選ぶと、長持ちするので買い替え頻度が減り、多少高価でもトータルコストが安くなります。座り心地のよさや、デザイン性の高さも期待できます。
ですから、ソファ選びでは「できるだけ安いものを選ぶ」ではなく「長く使えるものを選ぶ」視点が大切です。以下のポイントに着目して、耐久性をチェックしましょう。
- フレームは頑丈か
- 張り地は耐摩耗性が高いか
- クッション材はへたりにくいか
- 衝撃吸収材は耐久性が高いか
保証やアフターサービスを確認することも大切です。カバー交換や修理対応ができるメーカーのソファなら、より長く使えるでしょう。
よいものを買って長く使うことは「エコでサステナブルな消費スタイル」と言えるでしょう。環境に配慮したい方も、安さだけで選ばず、ぜひ長く使えるソファを選んでみてください。
まとめ:ソファの選び方を覚えて自分にピッタリの一品を探そう
ソファを選ぶとき、「サイズ、形状、張り地、デザイン、座り心地、価格」などさまざまなポイントに着目して検討する必要があります。見た目や価格だけで選ぶと失敗しやすいので、ご注意ください。
もしソファ選びで迷ったら、遠慮なくお店のスタッフに選び方を尋ねてみましょう。ソファに関する知識が豊富なスタッフがいる店舗なら、最適なアドバイスを受けられます。
IKUSでは、店舗やオンラインでたくさんのソファを取り扱っておりますので、ぜひご覧ください。IKUSがセレクトしたソファで、お部屋のインテリアをグレードアップしませんか?
ラグの選び方の記事も、おすすめです。ソファとコーディネートしたい方は、ぜひ参考にしてください。