照明の選び方|ダイニングをペンダントライトでおしゃれにする方法

2025.12.10

家族で朝食を囲む朝、子どもが宿題を広げる夕方、そして夫婦でゆっくりワインを味わう夜。ダイニングは、家族の生活が重なる場所です。

その空間の心地よさを、そっと底上げしてくれるのが照明。光の落ち方ひとつで、いつもの食卓は驚くほど表情を変えます。

でも「種類が多すぎて選び方が分からない」「雑誌のようにおしゃれにしたいけど、暗くならないか不安……」と悩む方が少なくありません。

そんな迷いを抱える方へ、失敗しない選び方を6つのステップで分かりやすくまとめました。光を味方にして、ダイニングを「一番好きな場所」に育ててみませんか?

ダイニングおしゃれに!照明の選び方を6ステップで解説

ダイニングおしゃれに!照明の選び方を6ステップで解説

照明選びは、ついデザインから入ってしまいがちです。けれど、本当に大切なのは「その光の下でどんな時間を過ごしたいか」ですよね。

まずは、暮らしのシーンを思い描くところから始めましょう。

ここでは、理想のダイニングへ近づくための6つのステップを、順を追ってご紹介します。迷いやすい「照明選び」も、以下の順序ならスムーズに進みますよ。

  1. 理想のインテリアスタイルを決める
  2. 使い方を決める(食事のみ?作業もする?)
  3. 設置位置(場所・高さ)と台数を決める
  4. 照明器具の種類を決める
  5. シェードの素材と配光タイプを選ぶ
  6. 光の色(色温度)を選ぶ

それでは、照明選びのスタートです。

1.理想のインテリアスタイルを決める

まずは空間全体の「テイスト」を決めることが第一歩。

北欧、モダン、ナチュラル、ヴィンテージ ⸺ テイストによって選ぶべき照明が大きく変わります。

北欧なら「木」や「曲線的なフォルムの照明」が馴染み、モダンなら「ガラスや金属などシャープな素材」を使った照明が映えます。

照明単体の可愛さだけで選ぶと、空間全体がちぐはぐに見えることも。

SNSや雑誌で「好き」と思う写真を何枚か集め、共通するテイストを拾って方向性を固めましょう。

2.使い方を決める(食事のみ?作業もする?)

ダイニングで何をするかによって、必要な明るさは変わります。

食事中心なら落ち着いた明るさでOK。一方、在宅ワークや子どもの学習で使うなら、手元がはっきり見える光量が不可欠です。

「おしゃれだけど暗い」「明るすぎて落ち着かない」などの後悔は使用目的とのミスマッチから生まれます。

ダイニングの過ごし方をリスト化し、作業用途がある場合は「調光・調色機能付き」の照明器具か電球を選ぶのがおすすめです。

3.設置位置(場所・高さ)と台数を決める

照明の「位置」は、デザイン以上に快適さを左右する重要ポイント。高すぎると手元が暗くなり、逆に低すぎると視界の邪魔になります。

たとえば「ペンダントライト」なら、テーブル面から約60~70cmの高さが目安です。

さらに「灯数」もこだわりたいポイントです。テーブルサイズに対して少ないと、バランスが悪く見えてしまいます。

  • 4人掛け:直径40~50cm×1灯 or 小型2灯
  • 6人掛け:小型3灯 or 中型2灯で端まで光が届く構成に

まずはテーブル幅を測り、灯数とバランスをシミュレーションしましょう。

4.照明器具の種類を決める

照明器具にはそれぞれ得意分野があり、ダイニングの照明には「ムードをつくる力」が求められます

明るさ重視の照明を選ぶと、食卓が作業台のように見えてしまうことも。

ビストロのような居心地のよさを演出するには、光の重心が低く、テーブル上を優しく照らしてくれる器具が適しています。

料理も人の表情も美しく見せてくれる「演出力」を重視して、照明器具を選んでみてください。

5.シェードの素材と配光タイプを選ぶ

照明器具のシェード(かさ)の素材は「光の広がり方 = 空間の印象」を大きく左右します。

たとえばガラスやアクリルなどの透過タイプなら、光が柔らかく全体へ広がり、開放的でにぎやかな雰囲気に。

木や金属などの不透過タイプなら、下方向だけに集中的に光が落ち、落ち着いたドラマチックな空気をつくってくれます。

部屋全体を明るくしたいのか、それとも食卓にフォーカスしたいのか、考えてみてください。

スタイルとの相性も意識して選びましょう。北欧風なら木や柔らかなフォルム、モダンならガラスや金属などが合います。

6.光の色(色温度)を選ぶ

最後に光の色を選びます。これは照明器具ではなく、電球の「K (ケルビン)」という値で決まります。

ダイニングなら「電球色 (2700~3000K)」や「温白色 (3500K前後)」がおすすめ。電球色はリラックス効果があり、温白色は団らんシーンにぴったりです。

一方、読書や勉強には「昼光色 (6200~6500K)」が合います。昼光色は青白い色味で、集中力が上がるため、学習に向いています。

用途が混ざる場合は、色を切り替えられる「調色タイプ」が便利です。

なぜ、ダイニングの照明は「ペンダントライト」が選ばれる?

なぜ、ダイニングの照明は「ペンダントライト」が選ばれる?

なぜ、リビングはシーリングライトが主流なのに、ダイニングは吊り下げ式のペンダントライトが人気なのでしょうか?

それは、ペンダントライトが単なる「明かり」を超えて「インテリアの主役」にもなり得るからです。

ここでは、代表的な照明の種類と特徴を整理しながら、なぜペンダントライトがダイニングで特別視されるのかを紐解いていきます。

主な照明器具の種類と役割

照明器具にはそれぞれの「得意分野」があります。役割を理解して使い分けることが、センスアップの秘訣です。

▼ペンダントライト

天井からコードでふわりと吊り下がる照明。視線に近い高さに明かりが浮かぶため、インテリアのアクセントに。テーブル上を柔らかく照らすのが得意です。

▼シーリングライト

天井に直接付けるスタンダードな照明。お部屋全体を均一に明るくしてくれる一方、シーリングライトだけだと、お部屋が平坦な印象になりやすい面もあります。

▼フロアライト

床置きのスタンド照明。お部屋の隅やソファ横に置くことで、壁や天井に光を反射させ、空間に奥行と立体感を生みます。

▼テーブルライト

卓上や棚の上に置く小型の照明。手元の明かりとしてはもちろん、ディスプレイの一部としてインテリア性を高めてくれます。ダイニングならロウソク型照明がグッド。

▼ダウンライト

天井に埋め込む小型の照明で、器具が目立たずすっきり。ただし位置の変更が難しいため、設計段階での計画が重要です。

▼スポットライト

光の方向を変えられる照明。壁のアートを照らしたり、特定の場所を強調したりする「演出」に向いています。

以上のように、ひとくちに「照明器具」と言ってもさまざまなものがあります。

それぞれの特徴を理解し、明るくするためだけでなく「どんな雰囲気をつくりたいか」を基準に選び分けてみましょう。

照明の選び方|最適はシーリング?LED?種類ごとの特徴を比較

ダイニングの照明にペンダントライトが選ばれる理由

食卓の上に柔らかい光を降り注ぐ「ペンダントライト」は、そこに集う人たちを自然と惹きつけ、親密な空間を生み出す魔法のような力を持っています。

低い位置でともる明かりは、視線をテーブルへと誘います。周囲がふんわりと暗がりに包まれることで、まるでレストランの個室にいるような心地よい雰囲気も生まれます。

さらに、ペンダントライトはフォーカルポイント(視線が集中する場所)としても活躍します。お気に入りの照明がふわりと宙に浮かぶ様子が、暮らしに小さな喜びを添えてくれるでしょう。

ダイニングを「ただ食事をする場所」から「家族が心を通わせる場所」へ。ペンダントライトひとつで、その景色が変わります。あなたの食卓にも、温かな光を迎えてみませんか。

ダイニングを快適にするなら「多灯使い」を覚えよう

ダイニングを快適にするなら「多灯使い」を覚えよう

「ペンダントライトひとつだと暗くならない?」⸺ そんな不安を抱く方にこそ知ってほしいのが「一室多灯」という考え方です。

ひとつの強い光で部屋を照らし切るのではなく、いくつかの優しい光をそっと重ねていく。それだけでダイニングは驚くほど柔らかく、心地よい表情に変わります。

ここでは、光のレイヤーづくりのコツを、分かりやすくご紹介します。

多灯の考え方(タスク/アンビエント/アクセント)

照明計画には「アンビエント」「タスク」「アクセント」という3つの光の層があり、これらを組み合わせることで、空間に奥行とメリハリが生まれます。

アンビエント照明 部屋全体のベースの明るさをつくる全般照明。ダウンライトやシーリングライトが担い、空間に安心感を与えます。
タスク照明 手元を照らすための作業照明。ダイニングのペンダントライトはまさにこれ。料理や手元を、くっきりと美しく見せてくれます。
アクセント照明 アートや植物、壁面に光を当てることで影をつくり「奥行感」を出す演出照明。フロアライトやスポットライトがその役割を担います。

これらを重ねることで「必要な場所に必要な光がある」「光と影がなめらかにつながる」そんなホテルライクな空間が完成します。

ペンダントライトひとつに頼らず、「ベースの光+手元の光+演出の光」を意識して組み合わせてみてください。

ダイニング照明の実践例(LDKの総合演出が大切)

ダイニングの照明は、単体ではなく「LDK全体」のバランスを見て決めるのが正解。LDKがひと続きの間取りでは、キッチンやリビングの照明がダイニングからも自然と目に入ります。

たとえば、キッチンカウンターにもペンダントライトがある場合。ダイニング側のデザインを控えめにしたり、あえて素材を揃えて統一感を出したりすると、視界がすっきりまとまります。

リビングやキッチンにアンビエント照明があるなら、ダイニングはタスク照明やアクセント照明だけで足りるかもしれません。そのほうが雑多にならず、洗練された印象になります。

照明を選ぶときは、ダイニングだけに注目せず、LDK空間全体のバランスを確認してみましょう。

まとめ:ペンダント照明でダイニングをおしゃれに

ペンダント照明でダイニングをおしゃれに

照明を変えるということは、ただ部屋を明るくする以上の意味を持ちます。

食卓に集まる家族の表情がふっと和らいだり、いつもの料理が少しだけ特別に見えたり。光は、日常の景色をそっと美しく整えてくれる存在です。

ご紹介した6つのステップを参考にすれば、デザインと使い心地の両方に寄り添う一灯がきっと見つかるはず。

「わぁ、素敵」⸺ そんな声が思わずこぼれるダイニングを目指して、照明選びの時間そのものも楽しんでくださいね。